「穀雨」は、普段はあまり聞かない言葉ですが、季節を表す言葉です。
穀雨とは一体いつのことで、どんな意味があるのでしょうか?
また、この時季に旬を迎える食べ物はどんなものがあるのでしょうか?
穀雨とはどんな意味?
4月の二十四節気の一つである【穀雨】。
読み方は「こくう」です。
明治時代以前に使われていた旧暦では、太陽の動きに合わせて1年を24等分した「二十四節気(にじゅうしせっき)」が用いられていました。
二十四節気で1年が始まるのは春の立春から。
24つあるうちの6番目にくるのがこの【穀雨】で、二十四節気で言う「春」の最後の季節です。
たくさんの穀物を潤す春の雨が降るころという意味で、4月20日ころになります。
ちょうど田畑の準備が整ったころで、農家にとっては恵みの雨となるわけですね。
さまざまな穀雨の表現がある
農耕民族であった日本では、この時期に降る雨は大変重要で、人々の関心も高いものでした。
そのため、この時期に降る雨には様々な呼び名がついているのです。
- 瑞雨(ずいう)
穀物の生長を助ける雨。穀雨と同じ意味。 - 催花雨(さいかう)
花が咲くように促す雨。 - 万物雨(ばんぶつう)
穀物だけでなく、あらゆる動植物に生気を与える雨。 - 甘雨(かんう)
(時節に限らず)草木を潤す恵みの雨。 - 春霖(しゅんりん)
3日以上降り続く春の長雨。 - 春時雨(はるしぐれ)
降ったりやんだりする春の雨。 - 菜種梅雨(なたねつゆ)
菜の花が咲いている時期に降る雨 - 卯の花腐し(うのはなくたし)
卯の花が咲いている頃に降り続く春の長雨。
雪国では暖房器具を片付け、東日本では衣替えをし、西日本では藤の花が咲き始める時期になりますね。
2022年の穀雨はいつ?
2022年の穀雨は
2022年 4月20日(水)です。
ちなみに、今後数年の穀雨(予測)はというと・・・
2023年 4月20日
2024年 4月19日
となります。
穀雨の頃の旬の食べ物は?
この時季の旬の食べ物と言えば、よもぎと新茶が代表格。
- よもぎ
独特の匂いのあるよもぎは夏から淡褐色の小さな花をたくさんつけます。
この時季の若葉を摘んで餅に混ぜて、餡をくるんで食べる【よもぎ餅】が有名ですね。
- 新茶・一番茶
「夏も近づく八十八夜・・・」がちょうど穀雨の5/2ころ。
このころ本格的に茶摘みが始まります。
お茶は年に何度も収穫されますが、その年の最初に摘まれた一番茶は味も香りも格別で、冬の間に蓄えられたうま味成分であるアミノ酸が最も多く含まれています。
穀雨の七十二候は?
穀雨は4月20日ころと説明をしましたが、場合によっては、二十四節気の次の節気である「立夏」までの期間を表すこともあります。
すなわち、4月20日~5月4日ころを指すこともあります。
二十四節気のそれぞれをさらに初侯、次侯、末侯の三つに分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」で見ると、 穀雨の期間中の七十二候は以下の三つがあります。
- 初候(4/20~24):葭始生(あしはじめてしょうず)
水辺の葭(葦・あし)が芽を出して、水辺から姿を現します。その姿は水面に出た牙のように見えるため葦牙(あしかび)と呼ばれます。
- 次候(4/25~29):霜止出苗(しもやんでなえいず)
霜が降りる時季が終わり、稲の苗が元気に成長するころを指します。
- 末候(4/30~5/4):牡丹華(ぼたんはなさく)
牡丹の花が咲くころで、この時季、白、紅、紫、黄色などの大型の花を咲かせます。
その花の美しさから、美人の姿を表すのに「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」という言葉もあります。
穀雨の意味 まとめ
雨が多い時期でもありますが、穀物や草木にとっては恵みの雨。
二十四節気上、最後の春となりますが、花の楽しみはまだまだこれからも続きます。
夏に向かうこの季節もいいものですよね。
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