「暦の上では春ですが」という枕詞とともに使われる「立春」ですが、今年はいつなのでしょうか?
立春は二十四節気のひとつで、節分の日の近くでしたね。
でも、どんな意味を持つ日なのかは良く分かりません。
また「春分の日」もありますが、どちらも「春」がつくけど違いはあるのでしょうか?
立春にまつわる疑問と、たまーに聞く「立春大吉」についてもここではっきりさせておきましょう。
2022年の立春は2月4日
2022年の立春は2月4日(金)になります。
立春は太陽の動きを元に計算して日付を決めていますので、たまーに2月3日になったりもします。
うるう年があるみたいな感じで、時々ずれてしまうんですね。
立春に合わせて節分の日もずれる
豆まきをする「節分の日」ってありますよね。
節分の日は「立春の日の前日」と決まっているんですって。
だから、立春がずれると、節分もずれてしまうんです。
節分の日って2月3日というイメージがありますが、それは固定されているわけではなくて、ここ何年も立春がずーっと2月4日だっただけなんです。
ちなみに、今後数年の立春(予測)はというと・・・
西暦 | 立春 | 節分 |
---|---|---|
2023年 | 2月4日 | 2月3日 |
2024年 | 2月4日 | 2月3日 |
2025年 | 2月3日 | 2月2日 |
立春とはどんな意味がある?
立春とは、旧暦で使用されていた二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、(旧暦の)1年が始まる日。
春が立つと書くので、旧暦上では春が始まる日になります。
二十四節気では、1年を太陽の動きに合わせて4等分(冬至、夏至、春分、秋分)し、さらにその間で4等分(立春、立夏、立秋、立冬)しています。
そのうちの一つが立春ですね。
立春を過ぎても、体感的にはまだまだ寒い日が続くのですが、最初に吹く強い南寄りの風は「春一番」と呼ばれます。
明治時代に旧暦から新暦(世界共通の西暦)に移行するまでは、立春に近い新月の日を元日としていましたので、昔は立春と正月が非常に近かったのです。
そのため、現代においてもお正月のことを「新春」とか「初春」と言いますよね。
立春の定め方をちょっと専門的に説明
地球を中心に固定したとみなして、太陽が通る道=黄道を想定します。
地球から黄道を見て春分の日に当たる場所を0°として、太陽はグルっと360°回るわけですね。
立春は、太陽が冬至と春分のちょうど中間、315°の位置に来たとき、と定めています。
立春と春分の日の違いは?
立春は祝日ではないので普段あまり意識しないのですが、似たような言葉で「春分の日」ってありますが、立春とは何が違うのでしょうか?
先ほども少し触れましたが、「春分」も二十四節気の1つで、太陽が真東から昇り、真西に沈む日が春分です。
昼と夜の長さがほぼ等しい日として置かれています。
春分の日は基本的には3月20日ですが、まれにずれることがあります。
海の日など、他の祝日は固定されているので何年たっても同じ日ですが、春分の日と秋分の日は天文学的な太陽の動きに基づいて決められるので、1日前後することがあるのです。
ちなみに2022年は3月21日ですが、今後数年の春分の日(予測)は・・・
西暦 | 春分の日 |
---|---|
2023年 | 3月21日 |
2024年 | 3月20日 |
2025年 | 3月20日 |
となっております。
立春大吉って何なの?
この時期になると「立春大吉(りっしゅんだいきち)」という言葉を見聞きすることがあります。
「立春大吉」というのは、立春の日に禅寺やその檀家の門に貼る紙札の文句、またはその紙札のことです。
旧暦では立春は新年の1日目。
「立春大吉」の紙札は、新年の初日に「1年間災難にあわないように」という厄除けの願いをこめて貼るのです。
立春大吉の文字を、縦書きにしてみてください。
「立春大吉」を紙に縦書きで書くと、裏から透かして見ても同じように読めます。
この「立春大吉」の由来は・・・
門をくぐってからふと振り返ると、また同様に立春大吉の文字が目に留まります。
すると鬼は「あれ?まだ門をくぐっていなかったのか」と勘違いして、逆戻りして外へ出ていってしまったとか。
鬼が入ってこれないということで、1年間無事に過ごせるというわけです。
立春のころの食べ物・食材
立春の頃に食べられる食べ物をご紹介します。
花びら餅
花びら餅は、牛蒡(ごぼう)と味噌あんを求肥(ぎゅうひ)で巻いた和菓子です。
もともとは、梅の花びらに見立てて薄く丸い形にしたものでして、お正月に皇室で神前に供える鏡餅の一部として用いられているものです。
また、裏千家茶道の初釜(年初めの茶事)に用いることもあります。
関西地方では有名なお菓子ですが、それ以外の地域ではあまりお目にかかれないかもしれません。
鶯餅(うぐいすもち)
餡(あん)を求肥(ぎゅうひ)の皮で包み、丸く包んだあとに両端を引っ張ってとがらせて、青きな粉をまぶした和菓子。
青きな粉とは、青大豆から作られる薄い緑色のきな粉のこと。
「春告鳥」とも言われるうぐいすの色や形をまねたお菓子です。
幕末の頃には、桜餅と並んで春先の甘味として一般化していました。
2月になると和菓子店でよく見かけるようになります。
恵方巻
もともと関西地方では一般的だった、節分に恵方巻を食べる行事。
数年前からコンビニやスーパーで全国的に売り出すようになってからは、今まであまりなじみのなかった関東地方など他の地域でも恵方巻という文化が知れ渡るようになりました。
恵方巻とは、太い海苔巻きのこと。
これを節分の時に、その年の徳福をつかさどる歳徳神がいる方向(恵方)に向いて、目をつぶって、一言もしゃべらずに1本丸ごと食べると縁起が良いとされる習慣です。
1本丸ごと食べるのは「切らない=縁を切らない」という意味があり、七福神にちなんで、七種の具材が入っています。
立春 まとめ
立春の頃は日本ではまだまだ寒いのですが、立春を定めた二十四節気は、もともと古代中国の黄河中・下流域の季節感が反映されています。
その地域ではどうやら1月が最も寒く、2月から暖かくなっていくようなのです。
だから2月に立春なんでしょうね。
2月も寒い日本ですが「立春」と聞くだけでも春が確実に近づいてきた感じがして、少し気持ちは暖かくなってきませんか?
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