温かい鍋料理に便利な土鍋ですが、新品を買ってきて初めて使うときには、使用前に必ず「目止め」が必要です。
目止めは正しくやらないとあまり効果が出なかったり、下手をすると土鍋が割れてしまうことも。
そこで、正しい目止めのやり方と、コツやポイントをお伝えします。
目止めはなぜ必要?
土鍋は耐熱性のある土でできています。
土である以上、どうしても微細な隙間(気孔)があり、吸水性があるのです。
買ってきたばかりの土鍋をそのまま使うと、土鍋がおつゆの水分を吸ってしまい、やがて全体へと回っていき、汚れが浸み込んだり、鍋底から水漏れしたり、割れたりする原因になってしまいます。
そこで、使用前に素材の隙間をでんぷんで埋め、水分が入り込まないように膜を張る作業が「目止め」です。
目止めのやり方
それでは目止めのやり方を見ていきましょう。
【事前準備】
- 土鍋を洗剤を使わず、水道水で洗います。
- しっかりと乾かします。
表面が乾いていても内部に水分を含んでいますので、一晩くらい必要です。
底面も乾くよう、裏返して乾かしましょう。
【目止め作業】
- 鍋底が濡れていないか確認してください。
濡れている場合は完全に乾くまで火にかけないで下さい。 - 土鍋に8分目くらいまで水を入れ水量の5分の1以上の炊いたご飯を入れてください。
- 弱火で、吹きこぼれに注意しながらゆっくりと煮沸し、1時間ほど炊き込みます。(フタはしない)
- 火を止め、土鍋を冷まします。2,3時間おくと良いでしょう。
- 土鍋が十分に冷めたら、おかゆを取り除いて柔らかいスポンジ等で水洗いし、一晩以上完全に乾燥させたら目止め完了です。
- 出来たおかゆは美味しく頂きます。
目止めを動画で確認
一連の目止め作業をyoutube動画でも確認できます。
良かったら参考にしてください。
目止め作業のコツ、注意点
目止めをするときに、注意してほしいいくつかのポイントがあります。
外側が濡れている状態で火にかけると割れる
目止めを始める時に、時間がないからといって、外側が濡れている状態で火にかけると土鍋が割れることがありますので、火にかける際は濡れてないかチェック。
炊き上がっていない米、米のとぎ汁はNG
炊きあがっていない米を投入しておかゆをつくると、おかゆになるまで時間がかかり、土鍋にでんぷんが入り込む前に水が先に浸透してしまい、水漏れや割れる原因となります。
また、米のとぎ汁は、でんぷんの濃度が低いため十分に目止め効果を発揮できないことがありますので、やめたほうが良いでしょう。
小麦粉や片栗粉でもOK
炊いたご飯の代わりに、小麦粉や片栗粉を使用してもOKです。
その際は、でんぷんを水に溶けださせておく必要があるので、火にかける前にしっかり水溶きしておきましょう。
強火でやらない
おかゆを作り始める際、煮立つまで強火でやりたくなってしまいますが、土鍋は急激な温度変化に弱いので、最初から弱火で始めましょう。
素材の違いで目止めの効果も違う
もっとも出回っていて、比較的安価な「萬古焼(ばんこやき)」の土鍋は素材の土の粒子が細かいため、水漏れや汚れ、ニオイがつきにくい性質があります。
いっぽう、ゴツゴツした印象の「伊賀焼」の土鍋は土の粒子が粗いため、土の隙間が大きく、萬古焼よりも水漏れしやすく、ニオイがつきやすい特徴があります。
ですので、伊賀焼土鍋を買った方は、目止めは必須ですし、1回では水漏れが止まらない場合もあります。
もし、目止めしたのにまだ水漏れする場合は、土鍋を良く乾かした後、もう一度目止めをしてみてください。
土鍋をすぐ使いたいなら目止め不要の鍋がある!
「目止め?面倒だし、すぐ使いたいんですけど。」
という方には、内側にセラミック加工されている土鍋がおすすめです。
セラミックは、萬古焼よりもさらに土が微細なため、水の浸入も、ニオイ移りもほとんどありません。
土鍋なのに目止めの必要もないので、今すぐ使えるし、メンテナンスが楽なので手軽に使えますよね。
ただし、価格はすこし高めなのです。
土鍋の目止め まとめ
目止めは、水漏れを防ぐだけでなく、色の浸み込みや、び割れを防ぐ効果もありますので、新品の土鍋は目止めをすることをおすすめします。