夏が近づき、暑さが増してくると、熱中症対策が重要になってきますね。
特に、抵抗力の弱い、小さいお子さんを持つ親御さんは、お子さんの体調管理が気になるところです。
熱中症対策として、水筒を持たせて水分補給させるのは今や常識ですが、その中身には何を入れていますか?
スポーツドリンクや麦茶を入れているご家庭が多いのではないでしょうか?
でも、スポーツドリンクは糖分が多いと聞いたことがありますし、麦茶だったら、水でもいいんじゃないかと思ったり、本当は何が良いのか?よく分からないところです。
今回は、子供の熱中症対策としての飲み物についてまとめてみましたので、よろしければ参考になさってください。
汗をかいたら水を飲めばいい?
夏場は特に汗をかきますので、意識して水分を摂るようにしなければなりません。
しかし、汗には水だけでなく、塩分(主にナトリウム)も含まれているため、体外へ排出された水だけでなく、ナトリウムも同時に補給する必要があるのです。
水ばかり飲んでいるとどうなるか?
血液は0.9%のナトリウムを含んでおり、大量に汗をかいたとき、急激に水だけを飲むと、血液のナトリウム濃度も薄まり、これ以上ナトリウム濃度を下げないために、体の防衛本能で水を飲む気持ちがなくなります。
それと同時に、血中ナトリウム濃度を上げようとして、体内の水分を尿として排泄しようとします。
この状態になると、水は飲みたくないし、尿で体内水分量は減るし、となって、汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇してしまいます。
水を飲んだことがかえって熱中症の原因となってしまうのです。
熱中症予防のために水を飲む場合は、一度に大量に飲むのではなく、「こまめに少量ずつ」摂るというのが大事なポイント。
体調が悪くなってから慌てて水分補給するのではなく、様子を見ながら、ちょくちょく水分を摂らせてあげましょう。
でも、そもそも、水だけを飲むのではなく、水と一緒にナトリウムも摂れば、この問題は起きにくくなりますよね。
熱中症対策には水とナトリウムの同時摂取
以上のように、熱中症対策の飲み物として、ナトリウムを適量含んだものをこまめに摂ることが大事だということが分かりました。
どれくらいのナトリウムを摂ればよいのか
では、どれくらいの濃度のナトリウムが適切なのでしょうか?
厚生労働省の熱中症対策ガイドラインによると、
「飲料100mlあたり40~80mgのナトリウム(食塩で言うと0.1~0.2g)を摂取」
とありますので、これが目安となります。
では、スポーツドリンクはどうなの?
スポーツドリンクといっても、市販のものは、メーカーによってナトリウムの含有量はまちまち。
主要なスポーツドリンクの100mlあたりのナトリウム含有量は、次の通りです。
◆スポーツドリンクのナトリウム含有量(100mlあたり)
・アクエリアス・・・・・・・・・・・・34mg
・ポカリスエット・・・・・・・・・・49mg
・グリーン ダ・カ・ラ ・・・・40mg
・ヴァームウォーター・・・・・・40mg
・アミノサプリC ・・・・・・・・・・23mg
だいたい、厚生労働省のガイドラインに適合していますね。
いっぽう、気になる糖分も見てみましょう。
スポーツドリンクの炭水化物(ほとんどすべてが糖質)の量は次の通りです。
◆スポーツドリンクの炭水化物含有量(100mlあたり)
・アクエリアス・・・・・・・・・・・・47mg
・ポカリスエット・・・・・・・・・・62mg
・グリーン ダ・カ・ラ ・・・・44mg
・ヴァームウォーター・・・・・・7.4mg
・アミノサプリC ・・・・・・・・・・40mg
※ヴァームウォーターには、炭水化物は少ないですが、人工甘味料が入っています。
角砂糖は1個3~4gですので、ポカリスエット100mlの中には、角砂糖が2個分入っているんですね。500mlのペットボトルに角砂糖10個分!確かに多い気がする。。。
なぜ、スポーツドリンクにはこれだけの糖分が入っているかというと、ちゃんと理由があり、ひとつは、糖分があることで、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。
もう一つは、運動をするときは、炭水化物(糖質)は1番早く体に吸収してエネルギーに変わるからなんです。
特に1時間以上運動をする時は4~8%の糖質を含んだものを摂取すると良いでしょう。
長時間運動し、大量に汗をかくのであれば、水分、ナトリウム、糖分を同時摂取できるスポーツドリンクは適していますね。
※運動時に適しているから「スポーツドリンク」っていう名前なんですね。改めて納得。
ということは、逆に、あまり運動しないのに、暑いからという理由だけでスポーツドリンクを飲むのは、糖分の摂りすぎが問題になってしまうわけですね。
麦茶はどうなの?
麦茶にはナトリウムを始め、ミネラル分が微量に含まれていますが、熱中症対策として推奨されている濃度には程遠いです。
しかし、麦茶には体温を下げる効果が認められていますので、水を飲むよりははるかに効果的です。
また、麦茶はノンカロリーで、穀物である大麦を原料としているためカフェインなどの刺激のある成分を含まないですし、利尿作用も少ないので脱水症状も起こりにくいといわれています。
したがって、日常生活における熱中症対策としては、麦茶で十分熱中症の予防が出来るのです。
塩入り麦茶もどうぞ
日常生活レベルでしたら、外出時は麦茶をこまめに飲んで、その後の食事でみそ汁を飲むなどして、汗で失った塩分を補えば十分でしょう。
しかし、少し運動するなど、発汗量が多いようでしたら麦茶にあらかじめ塩を加えておけば完璧です。
塩をあまり入れすぎると、風味が悪くなって飲めなくなります。
厚生労働省のガイドライン通り、麦茶1リットルに対して1~2gの塩を加えるだけで十分です。
塩を親指、人差し指、中指の指三本でつまんだ「ひとつまみ」で、だいたい1gになりますので、ちょうど良いですね。
>>子供のためのオススメ熱中症対策グッズは?
まとめ
熱中症対策の飲み物としては、運動を長時間するようならスポーツドリンク、日常生活レベルなら麦茶がちょうどいいと思います。
でも、熱中症になってしまうのは、水分・ナトリウム不足だけでなく、睡眠不足や食事を抜いている場合など、体調不良も原因の一つになります。
規則正しい生活を送ることも大切ですよね。